# 沿線ガイド
坂本ケーブルの
魅力
魅力
坂本ケーブルは全長2,025m。日本一長いケーブルカーです。そして、ケーブル延暦寺駅や車内からのびわ湖の眺めは、まさにパノラマ。 さらに、大正ロマンを語る魅力たっぷりの駅舎、「縁」「福」と名付けられたヨーロピアン調の車両など、坂本ケーブルでは、皆さまの思い出に残る11分間を提供します。
坂本ケーブルの長さは、日本最長の2,025mです。
2,025mの長さをイメージしていただきやすいように、関西圏で同程度の距離がある地域を例にその長さを解説します。
「縁号」と「福号」


坂本ケーブルの車両は、ヨーロピアン調のデザインの「縁」号と「福」号です。2,025mの車窓は、橋梁7カ所、トンネル2カ所と変化に富み、山を上るにつれ素晴らしいびわ湖の景観が大きく広がります。2,025m、11分間の車窓を、パノラマワイドな窓からお楽しみください。
この坂本ケーブルを象徴する二文字、「縁」と「福」は、白寿を迎えられた、ときの第253代 天台座主・山田恵諦猊下が、お詣りされる皆さまに、良いご「縁」と幸「福」が訪れるようにと祈りを込めて揮毫されました。
猊下のご揮毫は車体はもちろんのこと、切符にも用いられています。また、ヨーロピアン調の車体は、浜大津・びわ湖花噴水のデザイナーとしても著名なインダストリアルデザイナー、桜田秀美さんによるデザインです。 宗教的な雰囲気を壊すことなく、訪れる方にとって安らぎと楽しさを提供できるよう、上品なグリーンとレッドでまとめました。



ターンアウト

坂本ケーブルの安全運行は、自然災害との闘いの連続でした。特に、台風や積雪による倒木で被害を受けやすい架線は、管理が大変なうえ、架線柱とともに眺めの邪魔でした。ケーブルカーはケーブルに引っ張られて山を上り下りしていますが、この架線は、車内放送や蛍光灯用などの電源を確保するための装備です。
そこで、車両にバッテリーを積み、停車中にこれらの電源を充電することで、架線を撤去できると考えました。80周年を期に「架線なしケーブルカー」方式への切り替えを実施しました


日本に架線なしケーブルカーは数例がありますが、いずれも開業時から架線無しである場合や、長期運休を伴う大規模な改修工事によって切り替えたものです。これに対して坂本ケーブルでは初の「営業運転しながらの切り替え」を実現しました。
さらに「架線なし=パンタグラフも撤去」という発想ではなく、駅での充電用に、あえてパンタグラフを残すことで、工費削減や工期短縮も実現しました。架線のない線路をパンタグラフを振りかざして上下するケーブルカーの姿は、少々ユーモラスです。 「技術の京阪」と呼ばれる京阪グループの、坂本ケーブルならではの匠の技。坂本ケーブルの、さらに雄大な眺めをどうぞお楽しみください。